究極のお料理本

先週、青山ブックセンターで購入した本です。

私の好きな料理の本

『私の好きな料理の本』(高橋みどり著/新潮社)

本の装丁が『ヨーガンレールの社員食堂』(高橋みどり著/PHP)に似ていますね。

ヨーガンレールの社員食堂

白と黒の潔さ。

活字だけがどーっと連なる表紙。

写真でお料理の魅力を伝えるレシピ本よりも、言葉やシンプルな図版などで読み手の想像力を刺激するような本をつくりたい、という著者の思いの現れのような装丁です。判型も正方形に近くてかわいい☆

『私の好きな料理の本』の中で、著者は白黒写真だけの料理本をつくってみたい、とも書いています。

この人の創りたいと思っている本は究極のレシピ本だな〜と思いました。なんか俳句とかの世界に通ずるものがある気がします。すべてを説明してしまうのではなく、読み手の想像力が加味されて初めて作品が完成する、という感じ。

たしかに親切丁寧に書かれたレシピよりも、ちょっと言葉足らずのものの方が、つくるプロセスを自分なりに考えたりしてお料理やお菓子をつくる楽しみの幅が広がります。

レシピ本をぱらぱらとめくっていて、あ、これ作ってみよう! という気になるのは、わたしの場合レシピの材料を見たときが多いようです。材料を見てどんな仕上がりになるのかを想像して、うん、これはおいしい! と作ってもいないのに一人で盛り上がってしまいます(笑)

白黒写真を見て、お料理の色や香りや味わいを想像するのも楽しそう。時代の流れに逆行しているような企画ではありますが。(だからこそ、なのかな?)

ひとつひとつのプロセスが丁寧にカラー写真で説明されているのも、もちろん大切なことではあると思うし、お菓子をつくるときは特に、生地の色や艶っぽさの加減までわかるととても参考にはなります。
こういう手取り足取りタイプの本も欲しいですが、その一方で著者が言うような、情報をミニマムに抑えたレシピ本もやはりいいな〜と思ってしまいます。色々あるからいいんだよ(by金子みすず)、ですね。

この本の出版記念イベント(高橋みどり×高山なおみ)が今月24日にABC本店で行われるそうです。
このお二人が料理本について語ってくださるとは、、、とても楽しみです♪