続・ホームベーカリー

最近は人気のパン屋さんがホームベーカリーを使ったパンレシピの本を出したりしています。
もちろん、お店のパンは手づくりなんでしょうけど、ホームベーカリーでうちの店のパンに近い味を再現するにはね…みたいな、おいしい本です。

この手の本で使用されているホームベーカリーは、パナソニック製です。

しかし、わが家のパン焼き器はリーガル社製。
全然聞いたことないメーカーですが、四半世紀前、パン焼き器ブームが訪れる前は、日本のメーカーのものよりも優れモノと言われていたらしいです。(チチが言う話なので、半信半疑ですが。。。)

こんな外見をしています。じゃーん、真上から撮った写真です。

蓋に小さなのぞき窓(反射しているけど、左側の方にあるやつ)がついていますが、どうも最近のホームベーカリーには無いっぽいです。
しかし、この窓が実にいいのです。

中を覗きこんでも真っ暗でよく見えませんが、懐中電灯で照らしてみると、一生懸命、うぃん、うぃん、うぃん、うぃん、と粉をこねているのがわかります。

かわいいいのです。
もう、ずーっと眺めていたくなるような愛くるしさなんです。

使い始めたころは、最初の捏ねが終わるまで(5分ちょっと)、ずーっと懐中電灯で照らしながら粉やバターの欠片がひとつにまとまっていく様子を眺めていました。機械が捏ねるのを見ている時間があるなら、自分で捏ねろよ、て感じですが、、、

子どものころ、洗濯機の水の上に少しずつ大きな泡の塊ができあがっていくのを見ているのが好きでした。あの感覚に似ていなくもないけど、それよりもさらに楽しいのです。
そして、かわいいのです。

まあるくって、やわらかくて、しっとりしていて、エロかわいいんです(笑)

しかも、パン生地は発酵して膨らみます。
発酵中はさすがに見つめ続けていませんが、パン焼き器の前を通りかかると、つい懐中電灯のスイッチを入れて、小窓を照らして中をチェックしてしまいます。

まるで、夜行性の不思議な生きものを飼っているような気分で、ちょっとドキドキしながら膨らんだパン生地を確認すると、よしよし、元気にしているな、とひと安心してその場を立ち去る、ということの繰り返しでした。(今もです)

くるみなどの割れやすい具材を入れるときは、予備発酵が終わったあと、2回目の捏ねの途中でブザーが鳴ってから蓋を開けて投入します。
蓋を開けると、中では、うぃん、うぃん、うぃん、うぃん、と生地が少しずつ形を変えながら回っています。

粗く刻んだくるみをざざーっと入れるとき、
「さあ、たくさんお食べー」と呟いている自分がいます。

夜行性の生きものだから、蓋はすかさず閉めてやります。

成形発酵が終わり、パン焼きが始まるころには、生地はすっかり大きくなっています。
そして、次第に辺りに香ばしい匂いが漂ってきます。

小さなバケツ型の容器からパンを取り出すときは、畑で育てた野菜を収穫するような気分です。

謎の夜行性生きものから畑の野菜へ。


ああ、パン焼き器は楽しい。