ニッポンジンは生(なま)が好き

レアチーズケーキは和製英語でした。


どのようにしてこの言葉は誕生したのでしょうか? きっと、

オーブンで焼かないチーズケーキ

お肉の焼き方(レア・ミディアム・ウェルダン)で言うなら、レア。

レア・チーズケーキ!

ということではないかと思うのですが、、、

でも、厳密に言うなら、レアだって焼いてはいるんですけどね・・・。


文化を輸入する際には、こういった「誤解」や「曲解」がつきものです。
ねじれてしまうのです。
なぜ、「ねじれ」が生じるのか?
それは、人間が自分の中にある過去の記憶(経験)に照らして外界の出来事を受け止める習性があるからではないでしょうか。

レアチーズケーキという言葉には、日本人の「生(なま)」へのこだわりや偏愛が滲み出ていて、とても興味深いです。

さらに、この「生(なま)好き」は、生クリームとか、生ビール、生チョコ、生キャラメルといったネーミングにまで拡がりを見せています。(レアビールとか、レアチョコにはしなかったのも面白いですが、これは別の話・・・)

ちなみに、ちょっと前に某ドーナツチェーン店が「ポン○リング生(なま)」という新商品を世に出し、「生(なま)好き」の勢いは衰えを知らぬようです。


どうして日本人はこんなに生(なま)が好きなのか?

それは、お刺身の国の人だからではないでしょうか。

生=新鮮、高級、おいしい

というイメージは、無意識のうちにわれわれの五臓六腑に染み込んでいる気がします。

たとえば、スーパーの魚売り場で帆立のパッケージに「生食用」というシールが貼ってあると、より一層輝いて見えてしまうのです。
逆に、シールに「解凍」とか「加熱調理用」という文字が見えたりすると、なあんだ、とがっかりします。

ニッポンジンは、やっぱり生(なま)が好き。

なのだと思います。


というわけで、舶来物の、なんだかとってもおいしそう!なものには、こじつけるようにして「生(なま)」という接頭語をつけてしまいたくなる習性が、われわれ日本人にはあるのではないでしょうか。


(つづくかも)